年上のあなた
「勅使河原って、案外浅はかだよな。社内恋愛なんて、面倒な上に、隠れて付き合ってるって自分に酔ってる奴のする事だとか言ってたくせにさ。」
確かに、飲んでいる時にそんな事を言った記憶がある。
「それが、どうだよ?会議室の一件の後も、二人ともしれっとしてるし。勘違いかと思って忘れてたけど、さっき綾先輩見つめるお前の背中を見て、やっぱりそうかと思った訳。」
一応、林なりに気を使って小声で話してくれてはいるが、フロアを見渡し、声が届く距離に人が残っていない事を確認する。