一匹狼な彼氏と能天気な彼女
「…んー…。」
ここは突っ込んだりいろいろしなきゃなんないとこなんだろうが、寝起きの俺は頭がうまく回らず、曖昧な返事しかできない。
ゆっくりと体を起き上がらせると、つまんなさそうな顔をした桜木を見つけた。
「ねぼすけぇーっ!!
起きろおぉぉおぉぉおっ!!!」
車のクラクション並みの騒音が俺の脳内に響き、ボーッとしていた頭が一気に目を覚ました。
「…うっせぇよ。」
「だって起きないんだもん。」
そう言ってプクゥーと頬を膨らます桜木。
不意にもそれが可愛いと思ってしまった。
な、何思ってんだ俺…。
初めて感じた感情に少し戸惑う。