妖精と精霊と人間と
 「わあお!明、やるねぇ!美香マジソンケー♡」
 美香がそう言って感心していると、残った男が彼女に向かって走ってきた。
 「弱そうなてめぇから、地獄に送ってやるよ!」
 「むっ・・・残念だけど、あたしはそんなに弱くないよ?」そう言うと、彼女は胸の辺りで手を軽く組んで目を瞑り呟いた。「この大気に流れる空なる気よ、我の手に触れ、灼熱の炎となれ。ヘル・ファイア!」
 美香が叫ぶと、組んだ手の中に出来たテニスボールくらいの球が、男の着ていた布の服に触れた。
 「けっ・・・こん位、すぐに消えるぜ?」
 「甘いよ?魔の力により生まれた炎は、魔の力を持ってしてでなければ、消える事は無い。」
 北斗が薄く笑ってそう言うと、男は一気に炎に包まれて行った。真っ赤に輝く魔の炎によって。
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