妖精と精霊と人間と
 西の城に着いた北斗達は、第一の部屋へと入った。そこには、毒を吐く大型の蛇・バジリスクが居た。
 バジリスクは毒蛇の王で、一般的に頭に王冠の模様があり、鎌首を持ち上げながらシューシューと音をたてながら進むと言われている。バジリスクの吐く息に触れただけで、藪の木は枯れ、草は燃え、石は砕けてしまうとも言われている。
 「デッケー・・・」
 美咲はそう言ってバジリスクを見上げた。ゆうに、三〇メートルはあるだろう。黄色いその瞳がギラリと怪しく光る。
 「全員で行くか?」
 ラーグウェイがそう言って戦闘態勢に入ろうとすると、リデロが前に出てこう言った。
 「ここは私―――いや、このリデロ様に任せなッ!」
 リデロはそう言うと、買ったばかりのオリハルコン製のハンマーを構えた。北斗達は奥にある階段を登っていった。
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