妖精と精霊と人間と

第二十六話 王位。

 その日の夜。民は、北の王城・シュベレスで盛大な祝杯を上げた。全ての種族の、全ての職の者達が、互いに歌い、踊り、笑っていた。

 美香は妖精の女王・マブとなったピクシーのキャッツアイが置いて逝った、新たな妖精の女王・ティターニアと楽しくおしゃべりをしていた。
 「あら。それは、本当なの?」
 「うん♪意外でしょう?」
 「貴女は本当に凄い娘ね。ミカ。」
 「ティターニアも、ね♡」
 何の話をしているのかはさっぱり解らないが、お互いが楽しそうなのは誰の目にもすぐに解った。城の窓の外に平穏な月が昇る。その周りを三つの星が光り輝いている。北の空に輝く黄色い星と東の空に輝く銀色の星、南の空に輝く黄緑色の星が、鮮やかに光り輝いていた。自分たちの時代を祝うように。
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