妖精と精霊と人間と
 そうこうしているうちに、皆はオークの村についた。
 「待て!お前等、何しに、ココ、来た。言え。」
 「ココ、せりあの、おーくの、村。人間、えるふ、入るとこ、違う。帰れ。」
 門を通る所で、近衛兵のオーク二人に止められた。
 「どーすんの?北斗。」
 美香がそう言って北斗を見ると、彼はこう言った。
 「どーするって言われても・・・ねぇ?」
 しばらく悩んでいると、村の奥の館からオークの老人が出て来た。
 「若いの。ここは提案なんじゃが、ここで一番強いのと、お前さんらの誰かが戦ってくれんかの?お前さんらは既にオークの村の領域に入って来ておる。無断で、な。ほれ、あそこの闘技場じゃ。どうじゃ?面白そうじゃろう?」老人はそう言ってにっこりと微笑み、一人の青年を呼んだ。「こいつは、デント・ラドルフ・フィレ・トム・セリアと言ってなあ。ここで一番強いんじゃよ。セリアのオークの純血種じゃからのう。まだ若いが、どの男どもよりも強いぞ?さあ、そっちは誰が来るんじゃ?」
 「俺がいく。」
 明はそう言って前に出た。
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