名前のない想い
気分がどんよりしたまま、学校についた。
教室に行きたくなかったけど、ここで逃げちゃダメだと思って勇気を出して階段を登った。
教室の前に着いた。
でもドアを開けられなかった。
すると後ろから聞き覚えのある声がした。
「教室入りたいんだけど、いい?」
…健人の声だ。
「あ、ごめん。」
あたしは、すぐにどいて健人に謝った。
健人は違うクラスなのに、あたしのクラスになんか用があるのかな?
健人は近くの席にいた男子と話始めていた。
健人を見ると、切なくてきゅぅってした気持になる。
絶対に実ることのない片想い。
「みなみ!」
あたしは名前を呼ばれて顔をあげた。
「奈々美。」
奈々美があたしに気づいたようで、教室の席から手招きしている。
あたしは笑顔になれないまま、奈々美のほうへと歩いた。
「みなみ、昨日電話したんだよー!」
「あ、ごめん。用事あって出れなかった。」
あたしは、うつむき気味にそう答えた。
「みなみ、どうした?なんかあった?」
奈々美があたしに心配の声をかけてくれた。
でも、本人になんて聞けない。
昨日なにしてたの?って。
あたしが邪魔だったから2人で遊んだって答えられそうな気がして。
「なんでもないよ。」
「そっか…。」
奈々美と沙也加とちゃんと顔を合せることもできないまま、学校が終わった。