あふれる涙のドロップス

 呆然とする、お姉さん。



「海斗?嫌いなの?お姉ちゃんのこと、嫌い?」



「やめてくれよ、そういうの」



 普段の海斗からは信じられない、声だった。



 沈黙が、続く。



 不意に、バチン!という音が、部屋に響いた。


 お姉さんが、海斗の頬を、叩いたのだった。



「ごめん、かいと」


 お姉さんは、海斗に謝った。そして俯いて、部屋を出て行ってしまった。



 もう一度、長い沈黙が訪れる。


 さっきまでの幸せな気分はどこかに行ってしまった。



 
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