彼の遊戯




そんな表情を見られたことは、すごく嬉しい。



しかし、私はもう、耐えられない。

一度堰を切ってあふれ始めた感情は、どうすることもできなかった。



「も…、やです」


「紗江子?」


「これ以上、遊ばないで、下さい…」




胸がギリギリと締め上げられている気分だった。




「写真なんて、どうだっていいです………!もう、終わり、です…」


「さえ――」


「私じゃなくても相手なんてたくさんいるでしょう………!」




しん…、と部屋が一気に静まりかえった。


見上げると怒ったような表情を浮かべた彼がいて。






なんで私が責められなくちゃならないの?
遊んでたのは彼の方なのに。



どうしてそんな悲しそうな顔するの?
辛い思いをしたのは私の方なのに。






私には―――あなたが何を考えているのか、わからない。





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