嘘つきなポーカー 1【完】

由佳は一番乗りで教室に着いた。


「はぁー。」


由佳は大きなため息をつくと、机の上に突っ伏した。

ひとまず1人で登校するところまでは乗り切ったが、薫が登校してきた時にどうしようかと考えると、由佳はとても憂鬱な気分になった。


由佳が教室に着いてから少しすると、生徒たちが次第に登校し始める。

教室の扉がガラリと音を立てて開くたび由佳は心臓が止まりそうになり、そして入ってきたのが薫ではないことを確認して安堵のため息をつく、ということの繰り返しだった。


「由佳ちゃん？」


ガラリと扉を開けて教室に入って来た華代は、ビクッと後ろを振り向いた由佳と目が合うと、不思議そうに言った。