嘘つきなポーカー 1【完】


「今日、小野寺くんは?」


華代は真っ先にそう尋ねる。

当然だ。
今まで2人が一緒に登校しない日は1度もなかったし、それ以前に大体いつも由佳と薫が登校するのは華代より後だ。

2人の間に何かがあったことは、すぐに分かるだろう。


「あー、ちょっとね…。しばらく距離置こうと思って。」


由佳が苦笑いをしながら答えると、華代は不思議そうに尋ねる。


「喧嘩でもしたの? 」

「うーん、まぁそんなとこかな。」


由佳が誤魔化すようにそう言うと、華代は疑うような目で言った。


「本当にそれだけー?何だか由佳ちゃん、悩んでる顔してるよ。」

「え?そう?気のせいだって。」


由佳が笑いながらそう言うと、華代は納得がいかないような顔をしながらも「ふーん。」と呟いた。




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