【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
植木さんは生き生きとした顔で堂々と仁義を切りはじめた。
「ご丁寧なるお言葉。申し遅れて失礼さんにござんす。手前生国と発しますところ東山道は飛騨でござんす。小せぇ頃から喧嘩っぱやくもっとでかくなってやろうと江戸へと参り、門を叩いたのは藤堂組でござんす。
そんな手前を迎えてくれたは4代目組長藤堂 林太郎様 姐さんの志摩子様でござんす。後に5代目組長響様に仕え、ついには6代目になろう隼様の代までお仕えしてぇと欲も出ている次第でござんす。
いや何、姿は見えねぇ7代目まであっしは藤堂に身を捧げる決意でござんす。5代目の響様は、もって生まれた極道気質、立派に跡目を受け継ぎ率いておいででござんす。優しく聡明な姐さんの由香里様。これがあっての5代目、植木も心底安心でござんす。
次に控える5代目若頭の隼様。あぁ、これまた立派な極道でござんす。腕がたつだけじゃございやせん。抜き出でたる統率力に判断力、植木も惚れ惚れする男に育っておいででござんす。
忘れちゃならねぇここにおいでのやんちゃな結衣様、鬼と呼ばれた植木でもまったく頭があがらなぬ姐様でござんす。穢れのない可愛さで甘やかしちまいたくなりやすが、何が何でも仁義を貫き、5代目若頭を支える決意ときたら誠に見上げたもんでごぜぇやす。義を重んじること極道だけではないでござんす。植木はこの結衣様もまた立派な姐さんであられることに万感の思いでごぜぇやす。
一重に植木に幸せを与えてくれた4代目、心から感謝申し上げ、三種の神器と呼んで下さるお気持ちを決して裏切らぬよう精進してまいりやす。
ご存知、姓は植木 名は潤。以後改めましてよろしゅうお頼もう仕上げやす。」