ポーカーフェイス

「てめ…」

「まぁ、そう邪険にならさんな」


 ケラケラと笑う影は、そっと尋翔の頭を撫でた。


「長いこと痛い事はしないよ。…そうだな。……意識がぶっ飛ぶくらいまで、かな」

「なっ?!」


 目を見開いた尋翔は体を前のめりにした。が、腕の枷が尋翔の自由の邪魔をす
る。


「勝手に動かれちゃ困るからね。……でも、お尻痛いよね?」

「…っ」


 そりゃ、この冷てぇ床に数十時間も座らされてりゃ、ケツの1つも痛くなるわ。


 厭味たらしいその笑顔を睨みつけると、影は踵を返した。


「あ?…てめ、どこ行く気だ」

「ちょっとクッション取りに行くだけだよ…。それとも何?そのままでいいって言うの?」

「…」

「良い子だね」

 
 影はクスリと笑うと、尋翔の頭を優しく撫でると、再び踵を返し、牢獄を出た。


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