ポーカーフェイス
「…君達、兄弟?」
ピク、と2人が反応したのを廉は見逃さなかった。
「…それが…、なんだよ?」
やがて悠翔が口を開いた。
色褪せた筈の写真が、今、鮮明に色づき始めた。
思い出すな。
自分にストップをかけても、2人は自分の意思に反し、記憶を蘇らせる事しか出来ない。
やめろ。
中学1年の時だった。
やめろ…!
同級生に言われたのだ。
やめろっ…!!
『ねぇ、悠翔と尋翔ってさ、なんでそんなに似てるの?喋り方とかさ』
『分かる』
『顔は似てないのにさ』
「うるせぇっ!!」
2人の声が、いや、怒号が重なり、教室内が揺れた。
「うるせぇんだよ!!」
「他人に言われなくたって!!」
「俺らが1番知ってるんだよ!」
悠翔、尋翔、2人の順に、まるで打合せでもしたかの様に怒号が響く。
肩で息をする2人を、廉は無表情のまま眺めた。