ポーカーフェイス

「…君達、兄弟?」


 ピク、と2人が反応したのを廉は見逃さなかった。


「…それが…、なんだよ?」


 やがて悠翔が口を開いた。

 色褪せた筈の写真が、今、鮮明に色づき始めた。


 思い出すな。


 自分にストップをかけても、2人は自分の意思に反し、記憶を蘇らせる事しか出来ない。


 やめろ。


 中学1年の時だった。


 やめろ…!


 同級生に言われたのだ。


 やめろっ…!!


『ねぇ、悠翔と尋翔ってさ、なんでそんなに似てるの?喋り方とかさ』

『分かる』


     『顔は似てないのにさ』


「うるせぇっ!!」


 2人の声が、いや、怒号が重なり、教室内が揺れた。

 
「うるせぇんだよ!!」

「他人に言われなくたって!!」

「俺らが1番知ってるんだよ!」


 悠翔、尋翔、2人の順に、まるで打合せでもしたかの様に怒号が響く。

 肩で息をする2人を、廉は無表情のまま眺めた。

< 62 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop