大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
博さんと言われて若い子の所に行ったのは、

…あの大工さんだった。

「どれ?…よし、綺麗な仕上がりだな」

「?!はい」

2人の会話を見守る。

・・・凄くイイ関係のようだ。

そう思うと、また顔が勝手に笑顔になった。

…お仕事の邪魔をしちゃいけないな、帰ろう。


…大工さんの名前もわかったし。

博さん。…きっと、あだ名だと思う、でも、それが分かっただけで

こんなにも嬉しい。

…もう、25歳になったと言うのに、

まるで学生に戻って、初恋をもう一度した気分だった。


…また駅に歩き出した私。

足取りも軽く、そこから離れていく。


「羽菜ちゃん」

「…三浦のおばあちゃん?」

・・・三浦のおばあちゃんは、私のお客様。

一軒目に行ったところだった。


「これ、大したもんじゃないけどあげる」

そう言って微笑むおばあちゃん。

手には、新聞に包まれたホウレンソウ。
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