大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「羽菜を、娘の事を、宜しくお願いします」

そう言ってお父さんは頭を下げた。

それに続いてお母さんまで頭を下げる。


オレも慌てて頭を下げた。

「精一杯、羽菜さんを幸せにします」

そう言って。



「それじゃあ、固い話はこれくらいにしますか?」

「・・・え?」

にこやかになったお父さんに、ちょっと拍子抜けする。


「博さんが、大工さんだって聞いて、パパ喜んでたの。

自分も、職人で、家を作る仕事だから、色んな話が出来るって」

そう言ったお母さん。


「晩までいられるのかな?あ、それとも泊まって行きますか?」

「エ、いや、あの・・・」

明日は仕事で、早朝出勤予定だった。

「パパ、博さん、仕事があるのよ、無理言わないで」

羽菜はそう言ってお父さんを窘めた。


「色んな話が出来るといいんだが」

「勿論、お話しさせてください」

オレは腹をくくった。

初めてで、これだけ打ち解けてくれた人に、冷たい態度はとれない。
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