大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「…うん、写真ですよね」

そう言って、ゴソゴソと鞄の中からカメラを取り出す。


「よろしく頼む…それから」

「・・・ん?・・・どうしたんですか?」

「…ゴメンな」

「・・・」


何のごめんなのか、私は黙ったまま、博さんを見つめた。

「…現場監督の事だよ」

その言葉にハッとする。


「そんな、謝らないでください・・・何か、訳があるんですよね?」

そう言って微笑めば、博さんは困ったような笑みを浮かべた。


「羽菜には敵わないな」

「博さんって、顔に出やすいみたいですから」

そう言うと、博さんは参ったなと言って笑った。


博さんが、なぜ洋二を現場監督にしたのか。

すべての訳を聞いて、博さんらしいな、そう思わずにいられなかった。


「…と言う訳なんだ、羽菜は、現場監督は代えてもらった方がいいか?」

「いいえ、そのままでお願いします。

確かに岡田さんとは色々ありましたけど、この現場の為に、一生懸命

仕事をしてくれるみたいですし、むしろ、お願いしたいくらいです。

それに、私は違う仕事をしているので、滅多に会う事はないと思いますし」
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