大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
私の仕事は保険外交員。

あちこち歩き回って、本社を行ったり来たりの仕事。

この現場には、何回顔を出せるかなと、思うくらいだし。


「羽菜がそう言ってくれると嬉しいよ。

岡田は、仕事が出来る奴だから。…それからもう一人、

これはオレでもどうにもできないんだが」


「…誰です?」


「インテリア設計士の多田さんだ。

インテリア設計士は、工務店には一人しかいないからな。

オレは、今もずっと一緒に仕事をしているからいいけど、

羽菜は嫌かなって思うと、ちょっとやりにくいな」



「・・・大丈夫です。あの方とも、私は普通に対応できると思いますから」

…博さんは、私を愛してくれてるもの。

多田さんの事は、そう言う対象として見ないよう努めるから。




…お互い色々意見を言い合い、納得し、

後は写真を撮って回り、写真屋で現像したそれを、博さんに渡した。


「よろしくお願いします、大工さん」

そう言って微笑めば、博さんは、爽やかな笑顔で頷いた。

初めて会った時に見せた、あの笑顔で。
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