大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「博さんは、最高のパートナーたちと、

仕事をされてるんですね・・・

家づくりを見て見て、そして、こうして家づくりをしてみて、

博さんの凄さと、その周りにいるたくさんの人たちを、

私は凄く尊敬します」


そう言って微笑むと、多田さんは照れたように笑った。


「そんな事言われての、初めてかもしれないわ」

「そうなんですか?きっと、マイホームを作るお客さんって、

自分たちの理想の家の事で頭が一杯だから、それに携わる人たちまで、

目が行き届かないんだと思います。

私だって、博さんと知り合わなければ、そこまで見る事なかったと思うし」



「…そうよね、一生に一度の大きな買い物だから、

自分たちの理想に近い、最高の物をって考えてたら、

周りは見えなくなるものね・・・

羽菜さん、私に気を遣うことなく、どんどん意見を言ってね?

羽菜さんの理想に近づけるよう、私なりに最善を尽くすから」


「はい、宜しくお願いします」


その日は、多田さんに家まで送ってもらった。

…家に着き、ドアを開けると、とても静かな部屋。

・・・早く、博さん帰ってこないかな?

なんだかとっても、博さんに会いたい気持ちになっていた。
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