大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「仕事終わったら、うちおいでよ。

美味しい夕食作って待ってるから」


「マジで?!…必ず行くから」

やっと納得した美鈴は、自分の仕事に取り掛かった。

…私の話しを聞きたいのか、

…夕食が目当てなのか、後者だったら笑えるわ。

そう思ったら、悲しい気持ちは少し消え、心が軽くなった気がした。


…それから仕事を頑張る事数時間後。

午後6時に仕事を終えた私は、寄り道することなく、

まっすぐ帰宅し、スーツのままエプロンだけして、

夕食作りを始めた。


…疲れて帰ってくる美鈴に、美味しい物を食べさせたくて。

…それに、料理をしている間は、何もかも忘れられる気がして。


それなのに、リズミカルな包丁の音が、

あの時、釘を打つ音と重なったり、

色んな作業の途中で、博さんがたくさん出てくるので、

忘れたくても、忘れられなかった。



…これはよほどの重症のようだ。

そう思わざるおえなかった。
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