大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
「祐司が言った事、嘘だから」

「・・・え??」

突然の言葉に、首を傾げる。


「今日、珍しく、スーツ姿だろ?」

そう言った博さんは、チラッとだけ、私に目線を向け、

私が頷くと,また前に目線を移した。


「これ、デートなんかじゃないから」

「・・・・」

思ってもいない言葉に、目を丸くする。


「仕事だよ。…デートだったら、スーツなんか着ないだろ、普通」

そう言って苦笑いした博さん。

「…ぁ」

言われてみれば、確かにそうかもしれない。



「デートする相手なんかいないよ」

「・・・う、そ」

・・・そんなのウソ。…だって、指輪。

私は指輪に自然と目が行く。

それに気づいた博さんが、指輪に触れた。


「これはオレ一人が付けてる物。…お揃いとかじゃない」

「・・・・」

博さんが、私のモヤモヤしていた心を、

どんどん晴れやかにしていく。
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