大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
祐司の言葉に頷き、オレも仕事に取り掛かる。

昨日の出来事をふと思い出し、つい、鼻歌交じりに

仕事を進めていた。


「博さん、何か良い事あったんですか?」

リズミカルな音を立てながら釘を打ちつけていく祐司が、

オレに問いかける。


「・・・あぁ、ちょっとな」

そう言って、ちょっと微笑み、仕事を進めていく。

上機嫌なオレを見た祐司は、クスッと笑い、また仕事を進めていった。


・・・午前11時40分。

インテリア設計士の、多田美智子がやってきた。


「お疲れ様です」

「お、お疲れ様。どうしたの多田さん?」

オレの問いかけに、分厚い本を差し出した多田さん。


「施主さんが、外壁の色に困ってるんですが、大工さんの意見も聞きたいって言って、

昨日電話しましたよね?この時間に来ますって」

多田さんの言葉にハッとした。

…確かに、昨日連絡を貰っていた。


「悪い、悪い、作業の事ばかり考えてたから、忘れてた」

「もぅ、いつもですよね・・・」

オレの言葉に、多田さんは呆れ顔。

でもすぐに笑顔になる。

「これなん点か、案は出してるんですけど・・・

どう思います?…もうすぐ施主さんも来ますから」
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