大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
・・・また、覗いたら迷惑かけちゃうかな?

そうは思っても、体が勝手に博さんの元へ。

…祐司君は、先に帰ったのか、姿が見当たらない。


・・・流石に、家の中には入れないので、帰ろうとした。


「博さん、私を彼女にしてください」

「?!?」

どこかで聞いた事のあるような声。

私は驚きつつ、その声がした方に足を進めた。


・・・私の目に映った光景に、何度も瞬きをした。

何度も夢だって思いたかった。

でも、何度瞬きしても、その光景は消えない。


…インテリア設計士だと言ってた、あの綺麗な女性、多田さん。

その彼女が、博さんに抱きついている。

博さんと言えば、壁にもたれかけ、多田さんをギュッと抱きしめていた。


…博さんの彼女は、私だよね?

…博さんの彼女は、多田さんになっちゃうの?

…私はもう、用ナシなの?

…ほんの気の迷いだったの?


思い浮かぶのはそんな言葉ばかり。

私は、何も言えずに、その場を去る。



…ガシャン。

…全く、こんな時に、モノにぶつかるとか、ドラマじゃあるまいし。
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