コーラとポップコーン


続いて聞こえて来たのは、私の近くを耳にスマホを当てながら歩いているスーツ姿のこれまた若い男性の声だ。


「おう。今終わったとこ。今から向かう」


仕事が終わって電話という所だろうか。


「ああ、今日はずっと一緒だな」


また、えらく甘い台詞を……。


絶対に彼女への電話だ。


うっざー。


そう思ってケッと心の中で悪態を吐くのは、私に今彼氏がいないからだろう。


もうかれこれ2年程居ない。


枯れてきている……。そんな気がする。



次に耳に入って来たのは後ろから聞こえてくる甘ったるい女性の声。


「たっく~ん。明日、私バイトなんだぁ」

「じゃあ、迎えに行ってやるよ」

「ほんと~。嬉しい~」



何だ、その会話!


明らかに迎えに来てって言う感じだったでしょうが。今のは。


もう、何て言うか、後ろに居るのは間違い無く馬鹿ップルだ。


そう思った瞬間、背筋がゾゾッとする。


本当に皆幸せ見せつけやがって!


少し苛立ちながら歩を速めるのは、もうそんな幸せ会話を耳にしたくないから。


早く帰ろっ。







家に着くと、ヒールの靴を手を使わずに脱いでそのまま放置。


そして、リビングに置いてある茶色のソファーにばふっと倒れ込む。


ソファーの前にあるローテーブルへと手だけを伸ばして、テレビのリモコンを手に取って電源を入れる。


何とも駄目な女の代表みたいな仕事からの帰宅後だが、誰かが見ている訳ではないのだから、全くもって問題無いのだ。


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