恋の相手は小指サイズの俺様王子!?
「陽菜ちゃん……」


「って、妖精にハマッちゃったあたしが言うと、説得力ないけどね」


そう言って、「あははっ」と、笑い声をあげる。


その表情がとても痛くて、あたしは陽菜ちゃんの上着の裾を握りしめた。


「さ、今日は浴衣でも着てみる?」


突然会話の内容を変えた陽菜ちゃんがそう言った。


「浴衣?」


「うん。今年になってから、一度も着ていないでしょう?」


そう言われて、そういえば着ていないということを思い出す。
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