ラブソングは舞台の上で
この夜、ずっと同じ夢を見ては泣きながら目を覚ますのを繰り返した。
『明日香、もう来なくていいよ』
冷徹な表情で告げる晴海に、私は泣いてすがるのだ。
「どうしてそんなこと言うの? 私、やめたくないよ」
晴海は美しいドレスを纏った恵里佳ちゃんの腰を抱き、頬にキスをして笑う。
『恥ずかしい思いをしてまでやらなくていい。俺には恵里佳がいるし』
恵里佳ちゃんは満足そうに甘えながら、勝ち誇った顔で私を嘲笑う。
『引きずり下ろすって言ったでしょ。晴海ちゃんは、あたしのよ』
『恵里佳のことすげー好き。他の男に取られたりしたくない。千秋楽以降も俺の女だよ』
そんな二人を引き離したい私は、必死に彼らの間に割って入ろうとする。
晴海はそんな私を鬱陶しそうに振り払う。
地面に叩き付けられ、泣きながら彼らを見上げる。
二人は私を汚いものを見るような目で見下ろし、吐き捨てるのだ。
『この稽古場から、出て行けよ!』
そして私は目が覚める。
これで何度目だろうか。
まぶたが腫れて、ちゃんと目が開かない。
ダメ元で携帯を見てみるが、やっぱり晴海からの連絡はなかった。