俺様社長の言いなりです
「確認するけれど、これわたしの? 」


目の前にある紙が婚姻届だということまでは理解できたけれど、それ以上のことは完全にキャパオーバーだ。


そんなわたしをよそに、父と会長、そして社長自身も加わり話はどんどん進まっている。


「小春もこれを出せば芹沢小春になるのかー。寂しいような、嬉しいような複雑ですなあ」


楽しそうに談笑する父たちを一瞥し、社長を見ると、


「小春さん。どうされたんですか?」


表面上は心配そうに私を見つめるものの、目は早く書けと言わんばかりに笑っていない。
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