ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
手を取り合い、キャッキャッとはしゃぐ二人。
変わらないね、と再会を喜ぶ二人を見て、徐々に頭が現状を理解していく。
そうか…帰ってきたのか…
「凄いわね!チーフだなんて、頑張ったじゃない!」
「えへへ。ありがとっ!ハルと剛も夢を叶えたのね!噂は聞いてるわよ」
京子はスイーツの本場、パリで有名なチョコレート菓子店に8年前弟子入りして、数年で自分が考案した菓子を店頭に並べてもらえるようになったと風の噂で聞いた。
それからは、海外で活躍するパティシエということで、何度か雑誌に取り上げられていたのは知ってる。
だけど、まさかたった8年でチーフまで上り詰めるとはな…
「ほら、剛からも何か言うことないの?」
ハルは俺と京子の過去を知ってる。
嫌いで別れたわけじゃない、ということをーー。
「あ〜…おめでとう」
言うことっつったって、こんなとこじゃ恥ずかしくて言えるわけがない。
「もう!剛ったら!それだけなの?」
「いいのいいの!剛らしいじゃない。それに、剛にお世辞を言われたら気持ち悪いし」
「それもそうね」