人見知りのキリスト
と突然、少年は玄関の戸口に駆け寄り、叫んだ。



「オジサン、健ちゃんは!」



中年健ちゃんはギョッとして立ち止まった。



「な、何だお前!」



「ここ、健ちゃんちだよね?」



少年が再び訊ねた。

中年健ちゃんは何のことだか分からずキョトンとしていたが、少年の背後に立っていた俺の存在に気付くと、幾分ホッとした表情を浮かべた。



「何だ、澄人かよ。いきなり、びっくりするじゃないか」



「こんな雪道をのろのろと亀みたいに走らされちゃ、ドイツの名車も気の毒だな」



「まあ、そういうな。クリスマス・イブに歩きってわけには行かないんだよ」


――光山龍神。本名、光山健治。


28年前の健ちゃんは齢を重ね、すっかりキザな男に変わり果てていた。
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