人見知りのキリスト
澄人少年は周囲の家々をちょこまかと検分し始めた。

俺は黙ってその様子を見つめた。


――我が家のように昔から何の手も加えていない家

――老朽化に耐えきれず建て替えを余儀なくされた家

――どういう事情でそうなったかは分からないが、「国有地」と大書された看板が仁王立ちしている更地


ようやく澄人少年が戻ってきた。

瞳にはそれなりの決意が見て取れた。


「オジサン、ここだよ。健ちゃんの家はやっぱここだよ!」



――そう、確かにここなんだが……。



その時、玄関ドアがおもむろに開いた。
オレンジ色のジャケットを着こなした茶髪の男がポルシェに近づいていく。



――さてどうしたものか。
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