人見知りのキリスト
二人が霞の如く消えていくのと同時に、俺は現実に引き戻された。


デスクに突っ伏していた頭部を持ち上げ、パソコンの画面を見つめる。


キーボードに乗せっぱなしになっていた両手が、カタカタカタという無機質な音と共に無意味なアルファベットを打ち出し続けていた。


顎に垂れ流されたヨダレを拭うと、壁の時計に目をやった。



午前2時――。



うたた寝をしているうちに日付が変わっていた。


もう原稿を書く気分ではなかった。
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