甘く響く
「あ…の…えっと…」
何か言わなきゃ、と焦っていると情けない声しか出なかった
何をどう言っていいのかわからず視線が左右を彷徨う
「…。」
男は何も言わず
レイの前に立った
彼は背が高くて、軽く見上げる形になる
威圧感
怖い
あまりの恐怖感に
いつの間にか泣きそうになっている自分に気がついた
男は一瞬驚いた顔をして
それからニヤリと笑った
「その顔すげーかわいいー…」
男はレイの顎を軽く持ち上げた
男の冷たい指先に、レイの身体がビクつく
「…すげー泣かせてぇ…」
囁くようなその吐息が
かかってしまいそうなほど近づいてくる
あと数センチで唇が触れてしまう
でもレイは
彼のあまりにも端正な顔立ちに見とれて
1ミリも動けなくなってしまっていた
彼の手はとても冷たいのに
それに触れた顎はジンジンと甘く熱を持つ
怖いのに
その整った顔から目が離せなかった
「レイさん?大丈夫ですか?」
ゼルの声でレイはやっと呪縛から解除された気がした
声がしてすぐにゼルが顔を出した
そして顎を掬われるレイと
いやらしい笑顔を浮かべる男を見て
大きな大きなため息をついた
「レオン様、大切なお客様です。お離しください。…まったくあなたたち兄弟は…」
ゼルの話を聞いて
男は興味ありげに眉を動かした
「お前、名前は?」
まだ顎は離してくれない
レイは見上げるように上目遣いのまま
「レイです」
短く言った
男は名前を聞いてなおさら楽しそうに笑う
「へぇ、本当にいたんだ。レイ、ね。」
そう言って品定めするかのように
彼のタレ目がレイを見つめた
そしてやっと手を離して
またリンリンの中へと行ってしまった
「彼は次男のレオン様です。兄同様要注意人物なのでご注意ください」
「レオン様…」
口の中で小さく言ってみる
さっきまで触れられていた顎が熱を帯びる
ーリンリンッ
また、どこからかあのリンリンの音が聞こえた気がした
何か言わなきゃ、と焦っていると情けない声しか出なかった
何をどう言っていいのかわからず視線が左右を彷徨う
「…。」
男は何も言わず
レイの前に立った
彼は背が高くて、軽く見上げる形になる
威圧感
怖い
あまりの恐怖感に
いつの間にか泣きそうになっている自分に気がついた
男は一瞬驚いた顔をして
それからニヤリと笑った
「その顔すげーかわいいー…」
男はレイの顎を軽く持ち上げた
男の冷たい指先に、レイの身体がビクつく
「…すげー泣かせてぇ…」
囁くようなその吐息が
かかってしまいそうなほど近づいてくる
あと数センチで唇が触れてしまう
でもレイは
彼のあまりにも端正な顔立ちに見とれて
1ミリも動けなくなってしまっていた
彼の手はとても冷たいのに
それに触れた顎はジンジンと甘く熱を持つ
怖いのに
その整った顔から目が離せなかった
「レイさん?大丈夫ですか?」
ゼルの声でレイはやっと呪縛から解除された気がした
声がしてすぐにゼルが顔を出した
そして顎を掬われるレイと
いやらしい笑顔を浮かべる男を見て
大きな大きなため息をついた
「レオン様、大切なお客様です。お離しください。…まったくあなたたち兄弟は…」
ゼルの話を聞いて
男は興味ありげに眉を動かした
「お前、名前は?」
まだ顎は離してくれない
レイは見上げるように上目遣いのまま
「レイです」
短く言った
男は名前を聞いてなおさら楽しそうに笑う
「へぇ、本当にいたんだ。レイ、ね。」
そう言って品定めするかのように
彼のタレ目がレイを見つめた
そしてやっと手を離して
またリンリンの中へと行ってしまった
「彼は次男のレオン様です。兄同様要注意人物なのでご注意ください」
「レオン様…」
口の中で小さく言ってみる
さっきまで触れられていた顎が熱を帯びる
ーリンリンッ
また、どこからかあのリンリンの音が聞こえた気がした