あなたがいなければ。【短編小説】
第五章○○○



「学校は?」
兄「転校」
「神崎グループは?」
兄「慧里奈が継ぐ。」
「晃君は?」
兄「慧里奈と結婚。」
「お兄様は?」
兄「短期留学。」
「お父様は?」
兄「引退。」










何を話しているかと言うと…

今後のスケジュールをお兄様から根ほり葉ほり聞いている所です。





「私は?」





このスケジュールになると幻聴が聞こえる。



兄「神崎グループ後継者。K県への転校。高垣晃とともに…。尚、高垣晃が18歳になり、最初の6月に結婚式を行う。」






ね?


私には、幻聴に聞こえる。









スッゴく嬉しい幻聴だ…。








「…。」
兄「他に何かある?」
「K県のどこですか?」
兄「Y市かH市だ。」
「てきとー。」
兄「じゃない。」
「じゃあなんですか?」
兄「お父様が、二つともにマンションを買おう!って言ってる。」
「二つも入りません。」
兄「俺に言われても困る。」
「じゃあお父様に…」
兄「行ってらっしゃい!」
「…。」



仕方無い。

自分で行くか…。












コンコン

「はーい♪」


ん?

この声はだれ?

バンッ

「誰!?」

父「おっどうした?」
「今ほかに誰かいた!?」
父「いないぞ?」
「じゃあさっきの機嫌の良い声は誰!?…ですか?」
父「俺だ!」
「…。」
父「…」
「ちょっと良いですか?」




バタン

ガチャ

キィ


「…」
父「…用件はなんだ?」
「…はい。マンションの事で。」
父「あぁ。2つ買うことか…Y市とH市に買おう。」
「いらないです。H市に1つで十分です。」
父「なぜだ!?2つあった方が楽じゃないか!」
「では、1つどのくらいの広さなのですか?」
父「そりゃあ4LDKだ。」
「…。」



4つの部屋にリビングとダイニングキッチン。




「そんなにいりません。」
父「なんでだ!?」
「2人だけです。」
父「良いじゃないか!」
「いりません。あくまでも4LDKですよ?」父「じゃあ3LDKを2つ!」
「いりません。」
父「そうか?」
「はい。」
父「じゃあ、H市に3LDK1つで手を討とう。」
「よろしくお願いします。」
父「わかった!」
「では、失礼します。」




よし。




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