2人のユウト
お父さんとお母さんは私が小さい頃から仕事で家を空けることが多かった。
幼い私は両親と遊べる周りの子どもが羨ましかった。
どうして他の子は皆、お父さんと遊ぶのだろう。
どうして他の子は皆、お母さんに優しくしてもらえるのだろう。
私はいつもそればかり思っていた。
そんな私に気が付いたのか、お母さんが隣に住むおばさんに私の面倒を見てくれるようお願いしてくれた。
でも人見知りの激しい私は、すぐにおばさんと打ち解けられなかった。
そしておばさんも私のことを気にしなくなった。
前はしょっちゅう私の家に訪問して、声をかけてくれたけど。
今ではすれ違って挨拶する程度。
私が高校に入学したからというのもあるのかな。
おばさんは私が中学を卒業するまで、バスガイドの仕事を休んでいた。
どうも体を壊したらしい。
詳しいことは知らないけど。