2人のユウト




「・・・相変わらず厳しいですねぇ。
椎葉さんは」


「ぅわ!水門くん!?」



 後ろから聞こえた声に、思わず飛び上がる。



「椎葉さんは、僕の執事である新葉さんの双子のお兄さんです。
色々な事情があるせいで、名字が違うらしいですが」



「そうなの・・・?」



 まさか、あの冷たそうな、いや冷たい椎葉さんと、水門くんに似て暖かい新葉さんが双子なんて。



 信じられないなぁ・・・。



「ねぇ、水門くん」


「何ですか?」



「・・・どうして、縁を切られたの?」



 正直言って、聞かずにはいられなかった。




「・・・気になりますか?」


「・・・うん」



「・・・今日の放課後で良ければ、教えます」



 何故放課後?



「日下さんの担任と僕の担任が怒ってますので」




 水門くんの視線の先を見ると、二組(ふたくみ)の担任が、鬼のような形相でこっちに向かっているのが、見えた・・・・。





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