彼は、魔法使い
揺れる、魔法使い
直樹さんと体を重ねた、次の日。


あたしは何もなかったかのように、仕事をこなした。


直樹さんも特に、触れては来なかった。


直樹さんとあたしの関係は、スタイリストとアシスタント。


何も、変わらない。


あたしはアシスタントだけど、それなりに自分のお客さんを捕まえるようにもなっていった。


それに対して、誰かが口を出すこともない。


ふと気付いた時に、直樹さんのことを目で追ってる自分が居て、、、


その度に「あたしは、何がしたいんだろう」と、自分自身に呆れ、、、


「恋」と言う、曖昧でよくわからないモノから、目を逸らし続けた。


そして、月日が流れ、、、


直樹さんと体を重ねた日から、2ヶ月が経とうとしていた。

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