私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
「うん。姫川はタウン情報部のデスクから九条の仕事ぶりを見ていたらしく、一度原稿を読ませて欲しいと言われたんだ。で、実際に見せたら『丁寧な言葉の使い方をするが、読者にどうすれば良さを伝えようかと迷っているところがある。才能を伸ばせたいから、俺に任せて欲しい』って頭を下げたんだよ。もし姫川のことで何かあったら、俺はいつでも相談にのるから。先に行くね」
「はい」
水瀬編集長が立ちあがって先に階段へ向かったので、私は立ちあがって水瀬編集長を見送った。
あの姫川編集長が頭を下げたなんて初めて知った…、姫川編集長のイメージからしてそんなことはしないように見えるもの。
昨日宇ノ島で告白をされた時に私が入社した時から見ていたって言っていたけれど、仕事の面でも見ていたとは想像もしていなかった。
「こんなところでサボってるのは、偉くなったもんだな」
「うわぁっ」
背後から声をかけられたのでびっくりした!バッと振り返ると、いつものようにだるそうにしている姫川編集長が立っていた。
「ひ、姫川編集長、おはようございます。決してサボっていた訳じゃありません!」
「ほんとかよ?!早く季刊の原稿を書かねぇと、再来月の『Focus』のページを減らすぞ?」
「そんな脅しなんて、信じませんから!」
「そうかよ」
先に姫川編集長が歩きだしたので、私も追いかけて一緒に階段を上る。
鼻で笑わなくたっていいのに!!もー!!でも…、気まずかった空気がいつものようになった気がして姫川編集長は大人だなぁ。
こうして私と姫川編集長は、上司と部下としての間柄になったのだった。
「はい」
水瀬編集長が立ちあがって先に階段へ向かったので、私は立ちあがって水瀬編集長を見送った。
あの姫川編集長が頭を下げたなんて初めて知った…、姫川編集長のイメージからしてそんなことはしないように見えるもの。
昨日宇ノ島で告白をされた時に私が入社した時から見ていたって言っていたけれど、仕事の面でも見ていたとは想像もしていなかった。
「こんなところでサボってるのは、偉くなったもんだな」
「うわぁっ」
背後から声をかけられたのでびっくりした!バッと振り返ると、いつものようにだるそうにしている姫川編集長が立っていた。
「ひ、姫川編集長、おはようございます。決してサボっていた訳じゃありません!」
「ほんとかよ?!早く季刊の原稿を書かねぇと、再来月の『Focus』のページを減らすぞ?」
「そんな脅しなんて、信じませんから!」
「そうかよ」
先に姫川編集長が歩きだしたので、私も追いかけて一緒に階段を上る。
鼻で笑わなくたっていいのに!!もー!!でも…、気まずかった空気がいつものようになった気がして姫川編集長は大人だなぁ。
こうして私と姫川編集長は、上司と部下としての間柄になったのだった。