私が恋した男〜海男と都会男~
 そしていよいよ週末になり、私は早朝のS駅のホームで目的地に向かう電車を待っている。

 昨夜寝る前に時刻表を調べたら、S駅ならK県F市まで特急が出ていると知ったので、乗り遅れないように目覚まし3つもかけて起きた。

 小さ目なボストンバックには着替えとデジカメにメモ帳に日焼け止めを入れ、今日はかなり歩き回る予定だから、トップスは白と黒のボーダーの半そでにボトムはデニムで靴は青のスニーカーを選び、頭には熱中症対策として麦わらの素材で出来たストローハットを被る。

『まもなくF市行の電車が参ります』

 駅のアナウンスが流れるとホームに銀色の車体にグリーンとオレンジのラインが入った2階建ての電車が到着し、週末とあってかその電車に乗っている人も多いから、席が空いているかな?

 私は2階に登って空席を探していたら進行方向側の席が1つだけ空いていたのでそこに座ると、ドアが閉まる音がして電車は目的地へと動き始めた。

 目の前に見える景色は、都心のビル群から住宅街、また大きな都市の景色、そしてまた住宅街と景色が流れていって、F市って都心から行くとなると結構な距離だから、こうした特急の電車がないと不便ぽく感じたので景色を見ながら感じたことをメモに書いていく。

 タウン情報部に異動した初日から姫川編集長に目の前のことを記憶にとどめてメモに書くようにと教わり、今ではメモ帳とペンをすぐ取り出して書く癖が付いちゃった。

「都心のビル群から住宅街へと景色が変わり-…っと」
「わー、ママ!!海だよ!海!!」
「そうだね、海が見えてきたね」

 私の席の近くに座っていた親子連れたちの会話が聞こえてきたので、私もメモを書いていた手を止めて外の景色を見ると、今まで住宅街が続いていた景色から空と同じくらいの青さの海が見えきたので、電車が進むにつれて期待も一緒に盛り上がっていく。
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