私が恋した男〜海男と都会男~
「ヨシハラの爺さんや婆ちゃんは、よく俺たち家族に優しくしてて、父親はそれに安心したんだろうな。家事や育児を母親に任せて、漁師だから一度漁に出れば中々帰ってこない時もあって、母親はよく一人で泣いていた」
姫川編集長は私の方に顔を向けず、ずっと景色を眺めている。
「1週間や2週間とか見なかった時もあるから耐えられなくて、俺を連れて出ていって離婚した」
そうか、だから海斗さんと名字が違うんだ。
「再婚相手は都内に住むサラリーマンを選んで、姫川は再婚相手の名字だ。母親さ、父親が漁に出て中々帰ってこないことに寂しかったんだってよ。だから次は寂しいことが無いですむように、再婚相手の職業を漁師以外にしたんだと。笑っちゃうよな」
姫川編集長は皮肉混じりに笑うけど、その表情はとても寂しそうで、こんな姫川編集長を初めてみるよ。
「姫川編集長は…、再婚相手の職業をどう思っているんですか?」
「母親は幸せそうにしてるし、それを間近で見てたから、サラリーマンは悪くないと思う」
「そうですか…」
前に茜と女子会をしていた時にも、茜は相手の職業を重視してるぽく話をしてたのを思い出した。
確かに弁護士もサラリーマンも立派な職業だけど、漁師の仕事をしている時の海斗さんの顔は嫌々でしている顔ではなくて、真剣そのものだった。
きっと海斗さんは漁師の仕事に誇りを持っているから、続けられているんだろうな。
「急に身内の話をして、すまん」
姫川編集長がモジャモジャの髪の毛を掻きながら謝る。
「いいえ、謝らないでください。2人のこと、話をしてくれてありがとうございます」
「そっか」
姫川編集長はフッと笑い、私たちは暫らく展望台から見える景色を見つめていた。
姫川編集長は私の方に顔を向けず、ずっと景色を眺めている。
「1週間や2週間とか見なかった時もあるから耐えられなくて、俺を連れて出ていって離婚した」
そうか、だから海斗さんと名字が違うんだ。
「再婚相手は都内に住むサラリーマンを選んで、姫川は再婚相手の名字だ。母親さ、父親が漁に出て中々帰ってこないことに寂しかったんだってよ。だから次は寂しいことが無いですむように、再婚相手の職業を漁師以外にしたんだと。笑っちゃうよな」
姫川編集長は皮肉混じりに笑うけど、その表情はとても寂しそうで、こんな姫川編集長を初めてみるよ。
「姫川編集長は…、再婚相手の職業をどう思っているんですか?」
「母親は幸せそうにしてるし、それを間近で見てたから、サラリーマンは悪くないと思う」
「そうですか…」
前に茜と女子会をしていた時にも、茜は相手の職業を重視してるぽく話をしてたのを思い出した。
確かに弁護士もサラリーマンも立派な職業だけど、漁師の仕事をしている時の海斗さんの顔は嫌々でしている顔ではなくて、真剣そのものだった。
きっと海斗さんは漁師の仕事に誇りを持っているから、続けられているんだろうな。
「急に身内の話をして、すまん」
姫川編集長がモジャモジャの髪の毛を掻きながら謝る。
「いいえ、謝らないでください。2人のこと、話をしてくれてありがとうございます」
「そっか」
姫川編集長はフッと笑い、私たちは暫らく展望台から見える景色を見つめていた。