俺の妹が可愛すぎて。


「ユキちゃん、一緒に学校行ってもいい?まだ道覚えてなくて。」


洗面所で仕度をしていると、廊下から優花が顔を出す。


「あぁ、うん。いいよ。もう出れる?」

「うん、準備できた。見て、おかしくない…?」


そう言って優花は、廊下からひょこっと全身を俺に見せた。


真新しい制服を着て、くるりと一回転してみせる。


白シャツに、濃紺のブレザー。

膝上の青と緑のチェックスカート。

胸元には同じチェック柄のリボン。


「……変かな?」



………全然、ちっとも。

似合いすぎ。可愛すぎ。


不安げに訊く優花に、そのまま素直に可愛いとはなぜか言えなくて。



「……スカート、短くね?」

「え……そうかな?」



心配そうにスカートの丈を気にする優花に、思わず『パンツ見えんぞ。』とイジワル言おうと思ったが、

あの時のように、また優花に怒られては困るので、その言葉を飲み込んだ。


「まぁ、いいじゃん。けっこう似合ってる。」


そう言うと優花は安心したように笑った。


すると、優花のそばを同じく真新しい制服を着た風馬が廊下を通過するのが見えた。


「あ、風馬!おはよ。お前も一緒に学校行くか?道、まだ覚えてねぇだろ?」


ヘアワックスでベタベタになった手を洗いながら、歩いていく風馬に声をかけた。



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