あなたが作るおいしいごはん【完】
『……あっ、いえ…何でもな…。』
ない。と言いかけた時
『…先生なら浮気されてませんから
そんなに不安な顔を
されなくても大丈夫ですよ。』
田宮さんがにこやかに口を開いた。
「………!!
えっ…あの…そのっ…。」
何をいきなり言い出すのかと
驚いていると
『…浅倉さんは
さっき僕が義妹(いもうと)と
話していた内容を聞いて
不安になられたんでしょ?』
「……。」
黙ってしまった私を見た田宮さんは
『…さっきの話でしたら
あまり大きな声では言えませんが
実は、義妹に好きな人が出来て
その方が和食系が好きだとかで
それを聞いた義妹は
マスターしようと特訓中で
カズ先生のレシピを見ながら
作ったらしいのですが
もう一息上手くいかなかったとかで
何が足りなかったのかを
僕経由でカズ先生に聞きたいと
頼んできたんです。
…でも、先生は当然お忙しい方ですし
女性に教える事はされない代わりに
教室のメニューで煮物の日に
見本として予め作った物を
タッパーに詰めて
重要ポイントを記載したレシピを
僕経由で義妹に渡されたんです。』
まるで私の心を見透かしたように
田宮さんは事情を説明してくれた。