あなたが作るおいしいごはん【完】

…女性の泣き声?

この事務所の

この扉の向こう側に女性がいる。

……私以外の女性がいる。


どうして私以外の女性がいるの?


だって…この事務所の

この扉の向こう側に入っていいのは

……私だけって約束なのに。


『…この事務所の中まで
入らせている女性は萌絵だけだから。』


彼は私にそう言ってくれたのに

どうして私以外の女性がいるんだろう?

どうしてその女性は泣いてるんだろう?

その女性は一体誰なんだろう?


彼が入れたの?

それとも田宮さんが

彼の決めたルールを無視したの?


そして、彼は

………その扉の向こうにいるの?


その女性は本当に誰?


わからない事だらけで

怖いけど確かめたい…でも…怖い。

そんな想いでドキドキしながら

まずはそのドアノブを開けてみようかと

震えそうな手を伸ばしかけた時


『…ミレイちゃん…もう泣かないで。』


扉のすぐ向こう側から男性の声がした。


この声の主は田宮さんだった。
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