あなたが作るおいしいごはん【完】

ミレイさんは私に手を伸ばそうとした。

しかし

「…嫌っ!!」

私はミレイさんを拒否した。

ビクッと反応したミレイさんは

伸ばしかけた手を止めると

『…あの…その。』

と、戸惑った表情を浮かべながら

私を見ていた。


…嫌っ!!…触られたくない。

どうせ言いたい事はわかってる。


ミレイさんはきっと

自分のお腹の子どもの父親が

私の彼……押谷和亮だって

そう言いたいんでしょ?


私と彼が婚約して

一緒に暮らしているのを

知っていながらも裏側で

彼と付き合っていて

妊娠するようなそう言う行為に

及んでいたって言いたいんでしょ?


だとしたら私は……。

彼とミレイさんにずっと

……裏切られていたの?

彼は私を裏切っていたの?


ねぇ……そんな事嘘でしょ!?

嘘でしょ?…違うの?

私の頭の中が混乱する。


ねぇ…和亮さん。

『好き。』『愛してる。』と

私に言ってくれたあの言葉は嘘なの?

私にドキドキしてくれていた

あの心臓の音は嘘なの?

ミレイさんを想いながら

ミレイさんと私を重ねながら

私を抱いていたの?



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