あなたが作るおいしいごはん【完】

パッと見でわかるくらい

自他共に認める几帳面な彼は

やる事なす事に無駄がない人だった。


年下の私に凄く気を遣い

本当に優しくしてくれて

約束通り

毎日おいしいご飯を作ってくれた。


料理教室が夕方の日や

打ち合わせが長引いて

帰宅が遅い日でも

疲れを顔に出さないように

私に優しく微笑んでくれて

夜の内に翌日の仕込みを忘れず行い

翌朝は必ず私より早起きして

朝食作りから

学食がない短大に通う私の

昼食のお弁当も作ってくれて

中身は彩り、栄養バランスを含めて

私の好きなおかずも詰めてくれた。

おまけに彼は夕食の下ごしらえも

一緒に済ませてしまい

後は食べる直前に温めればOKの状態

又は、予定より帰宅が遅くなっても

私が代わりに炒めればOKとか

調味料、食材を追加すればOKの

状態にまでしておいてくれた。


『…後はコレ見て追加よろしくね。』

と、冷蔵庫には

料理ごとに違う調味料の分量が

記載されたメモが貼られていて

内容もビッチリと細やかで

私でもわかりやすいように

しておいてくれてぬかりなかった。















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