あなたが作るおいしいごはん【完】

その後私も

一通りの家事をこなせるようになり

多忙な彼にわざわざ気を遣わせるのも

申し訳なく思ったのを機に

差し入れをお断りした事で

彼と顔を合わせる機会は

極端に少なくなったけど

今こうして、一つ屋根の下で

一緒に暮らしているなんて

毎日こうして

彼の作ったご飯を食べてるなんて

あの頃の私は

全く想像していなかったから

凄く不思議な気分でいっぱいになる。


彼は忙しい人だから

平日は月曜日と金曜日以外は

一人で先に済ませる事が多く

一緒にご飯が食べられるのは

土曜又は日曜日のみになる。


だからなのか

彼は一緒に食べられる日は

その日にあった出来事を

守秘義務に抵触しない程度に

話してくれたり

『…俺の事を知って欲しい。』

と、自分の事を話してくれたり

『…萌絵ちゃんの話を聞かせて。
もっと色々知りたいんだ。』

そう言って私に色んな質問をしたり

その日学校であった事を

私から話を聞き出して広げて

積極的に私の事を知ろうとしてくれた。







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