あなたが作るおいしいごはん【完】
「………!!」
いつも微笑んでいる彼が見せた
その真剣な眼差しに
私の奥底からドクンドクンと
脈打つように胸が高鳴った。
…何だろう…この気持ち。
あの…結納の時も
私は…彼の瞳にドキドキしていた。
あの時とはまた違う眼差しだけど
私は何だかそれ以上に
ドクンドクンと胸がさらに…。
……さらに高鳴っていく。
そのくらい彼は
逸らせないほど強く強く私を見つめた。
「…カズ兄ちゃんの
料理研究家への想いや
仕事への情熱が…凄い…ね。」
彼…カズ兄ちゃんは
几帳面だけじゃなくて
ストイックな人だと思い知った。
すると
『…あっ、ごめんね。
何だか熱くなり過ぎたね。
でも、知って貰えて良かった。
萌絵ちゃんが俺の話を聞いてくれて
何だか嬉しくなったよ。』
彼はさっきよりは表情を緩めながら
『…ありがとう。』
と、優しく微笑みを浮かべた。