あなたが作るおいしいごはん【完】
彼は最初
私がアルバイトをする事に反対だった。
普段優しい彼が
『…バイトなんてダメだ!!
お小遣いが欲しいなら
俺が毎月きちんとあげるから
そんな事をしないでくれ!!
…もしもの事があったら
俺が心配だから!!』
と、血相を変えて反対した。
てっきり
『いいよ。』とか『頑張れ。』と
言ってくれるものだと思っていた私は
その反対振りに少し驚いた。
高校時代の私は
家事や学校の補習講座があったり
私がアルバイトしたい事に
父からもどちらかと言えば
否定的な事を言われて実現しなかった。
だからこそ
短大入学後のアルバイトは
私の憧れで、どうしてもやりたかった。
こればかりは譲れなかった。
「…アルバイトは、私の憧れだった。
カズさんに迷惑は絶対かけないから
お願い…アルバイトさせて。」と
最後は泣きながら私は彼に頼み込んだ。
すると
『…言い過ぎた…ごめん。
そこまで言うならわかった…許可する。
ただし、バイトしていい店は
俺が決めるから、そこでする事!!』
と、条件付きながらも
彼からアルバイトOKがようやく出た。