愛すと殺すと
「菅原さん、ですか?」
「は、はい」
いきなり菅原さんに話しかけ、明らかに営業用なスマイルで。
「少し、陽紀くんと千晶さんのケアをしたいんです。
向こうにコイツと行ってくれませんか?」
「でも…」
初老の菅原さんは、困ったように千晶を見る。
何も映していない瞳は、完全に死んでいた。
自分がどうにかしたいと勝手なエゴがあるらしい。
「大丈夫です。これは私の仕事っす」
敬語が慣れてないらしいこの人は、少しチャラめに言った。
「で、では…千晶ちゃん、私飲み物を買ってくるわね?」
頷きもしない千晶に悲しそうにしながら、そそくさと去っていった。
「…やっと行ったか…おせっかいなババアだね?」
けらけらとんでもないことを言った。
そして、頭に重みがかかる。
「ん…?」
この人は左手を俺に、右手を千晶に乗っけて、頭をグリグリなではじめた。
「うりうり〜」
「いった…いたいです」
「はは、なんだコイツ」
どこうとする俺を離さない!とばかりに手で捕まえる。
な、なんだコイツとはこっちの台詞だー!