LOVEFATE~理由~

「俺はお前がそんな事されて、

そいつを黙って許せるわけないだろ!!」



「お願い、亮ちゃん。
怒らないで。
ただ、私の話を聞いてて…。

私は亮ちゃんにこうやって話しているだけで、
気持ちが楽になってるから」




きっと、倉木さんとの事は誰にも言えない



襲われた事に対して、
自分にも落ち度があると分かっている私は、

倉木さんを責められない



だから、代わりにこうやって亮ちゃんが怒ってくれるだけでいい




「俊ちゃんを裏切ってしまって、

私、どんな顔して俊ちゃんに会えばいいのだろう……」



俊ちゃんに会って、
私はどんな顔をしていればいいのか分からない


ちゃんと笑えるのかな?



その笑い方が、
白々しくなるんじゃないかな





「何も無かったようにしてればいいから。
俺は俊太には絶対に言わない。

だから、もう忘れろ。
俺も忘れる」


亮ちゃんは空いている左手で、

私の頭を撫でてくれる



小さい頃、亮ちゃんは泣いている私をこうやって慰めてくれた



何度も、何度も



この手に、私はどれだけ癒されてきたか





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