LOVEFATE~理由~

「ホストクラブ初めてなんだ。

えっと、名前訊いていい?」



「まりえ、です」



「まりえちゃんねぇ。

可愛い名前でまりえちゃんによく似合ってる」



「そう?

けど、まりえはAV女優としての芸名だけど」



そう言ったけど



今の私は日常もまりえだから、

特にそのきたまりえの名が芸名だとは思わなくなって来ている



最近、本名を呼ばれるのは、

定期的に性病の検査で訪れている産婦人科でくらい




「へぇ、AV女優さんなんだ。
今度、まりえちゃんの作品観てみるよ。

まりえちゃん、
けっこう俺のタイプだから」


整った顔で笑い掛けて来るけど、

それが営業なのだと見え透いている



そっと、手を握られた




「ありがとう。

私、けっこうエロい体してるから、
ナツキに喜んで貰えると思うよ」



そんな営業に惑わされない、
と挑発的に笑い返すと、

ナツキは何かを察したように笑っていた


「それより、何飲む?」


握っていた私の手を、

握る時と同じくらい自然に離した




「飲みやすいカクテルがいいな」




< 310 / 728 >

この作品をシェア

pagetop